写真雑誌の歴史資料価値は、活字文献では理解できない様子も分かります
発売当初、雑誌は報道資料という役割を果たしますが、掲載から100年経てば歴史資料へと変化します。当時の出来事は、書物で読む限りの知識しか持ち合わせていませんが、写真を眺め、文章を読みますと、具体的な実情を理解しやすいのは当然です。
生活、風習、庶民の暮らし等、写真はリアルタイムな出来事を切り取りながら、現在に呈示してくれる1級の資料だと思います。時には散逸したり、破損したりするわけで、このような1冊の本として編集されることで、新たな息吹が吹き込まれるようです。
三陸海岸の津波、関東大震災の惨状、戦前の軍部による満州支配、焼け野原となった都市、戦後の混乱期の配給制度と引揚者、そして高度成長期の急速な発展など、眺めれば眺めるほど様々な出来事があったということを確認しました。それを補うような外国人記者の目も興味深いものを感じました。
昔の街並みや人々の髪型や服装の変化など、日本人の顔かたちも100年の間に相当変化しましたし、町や村の様子も大きく様変わりしました。その移り変わりの激しさには驚かされます。何しろ100年前の出来事をリアルタイムで見聞きした人がほとんどいないわけですから、このような書籍は貴重です。
文章を書いた記者、雑誌を読んでいた外国人読者同様、現代人にとってはエトランゼの気分で本書を手に取るように思います。
小さい子供から大人まで楽しめる近代日本史
歴史の教科書にある「あらすじ」ではなく、外国人記者の目から見た日本の「生きた描写」を読むことが出来る一冊。1894年(明治22年)から1991年(平成3年)までのうち、約40回分のレポートが、当時としては珍しい写真と共に掲載されている。 文体も、文字の大きさも読み易く構成されており、写真も付いているので 小学校高学年〜中学生程度の子供から、老人まで楽しめる内容となっている。 特に、小さな子供には「学校で教えることのない近代日本史」の教科書としても 「楽しんで」使える一冊となるだろう。
日本を映し出す貴重な鏡
創刊されて100年以上の月日が経つ老舗雑誌「ナショナルジオグラフィック」。本書は過去100年の間に同誌に掲載された日本に関する記事を集めたものである。明治維新、文明開化。世界は極東のささやかな小さい国に瞠目する。西洋と東洋を巧みに折衷し、欧米の列強と肩を並べるまでに発展した小国の、歴史の教科書には出てこないようなエピソードがずらずらと並び大変興味深い。しかし昭和に入り太平洋戦争に向かって不穏な動きを続ける日本に対して世界の見方は変わっていく。当時の満州にまで取材の手が伸びていたことには驚いた。ぼくが生まれる30年ほど前のアメリカ軍の戦闘機が写した東京駅界隈の鳥瞰図を見ていると、年月の経過の異常なまでの速さに面食らう。
非常に面白い「資料」です。
その時代を切り取った「写真」も確かに楽しめましたが、それ以上に「文章」の面白さを感じました。 新聞社や通信社の社員が書いた物とは明らかに雰囲気が異なり、その時代の「日本」を楽しんでいるような印象を受ける文章が多く、そのことでかえってその当時の日本人が生き生きと感じ取れました。 もしも、ナショナルジオグラッフィク社がそのような人々を意図的に選んで派遣したのであれば大正解ではなかったかと思います。
3世代が一緒に読みました
へ〜、こんな写真があったのかと驚きます。お婆ちゃんから孫までが一緒になって読みました。読んだというより見たでしょうか。おばあちゃんの「あ、そうそう、昔はこんなだったんだよ」孫が「へ〜、お婆ちゃん、コレは何?」と、一日中 賑やかでした。特筆することがあるとすれば、基本的に写真は外国のカメラマンの手によるということでしょうか。日本人がみて「へ〜」と感心させられることや驚くこともありページをめくるのが楽しいです。
日経ナショナルジオグラフィック社
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